高血圧が原因で睡眠の質が下がり、日中に眠くなってしまうことがあります。
- 最近、昼間にすごく眠くなる
- 朝スッキリ起きられない
- 仕事や勉強中にウトウトしてしまう
それ、高血圧が関係しているかもしれません。

20年以上のナース経験を持つ私が、高血圧を下げる良い飲み物とダメな飲み物についてわかりやすく解説します。
この記事では、その理由や対策をわかりやすく解説します。


高血圧で日中に眠くなるのはなぜ?4つの原因を解説


高血圧の人は、睡眠時に血圧が十分に下がらないことがあり、これが睡眠の質を低下させ、日中の眠気を引き起こします。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、寝ている間に呼吸が止まったり、浅くなったりする病気です。
呼吸が止まると酸素が足りなくなり、体が危険を感じて目を覚ましてしまいます。
その結果、眠りが浅くなり、日中に眠気を感じるのです。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)症状
- いびきをかく
- 夜中に何度も目が覚める
- 昼間に強い眠気がある
研究によると、高血圧の患者の約10%が睡眠時無呼吸症候群(SAS)を併発しており、特に若年者の治療抵抗性高血圧では睡眠時無呼吸症候群(SAS)が最も頻繁に関連する疾患とされています(第 59回日本心臓病学会学術集会)。
また、睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者は高血圧を新たに発症するリスクが高いことも報告されています(日本内科学会雑誌)
このように、睡眠時無呼吸症候群(SAS)と高血圧には強い関連があり、適切な治療を行うことで血圧の改善や日中の眠気の軽減が期待できます。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の 対策
- CPAP(シーパップ)治療を受ける
- 横向きで寝る習慣をつける
- お酒を控える



自分では気づかなくても、家族に『いびきが大きいよ』と言われたら、SASかもしれません。病院で検査を受けてみましょう!
夜間高血圧
睡眠時無呼吸症候群(SAS)が原因で夜間高血圧になることもありますが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)がなくても、加齢や塩分摂取、自律神経の乱れによって夜間高血圧が引き起こされることがあります。
無呼吸が続くと血圧が慢性的に上がり、夜間高血圧を悪化させることがあります。
夜間高血圧の症状
朝の血圧が高い・夜間に何度も目が覚める



SASのある人は特に注意!
夜間高血圧の対策
- 塩分摂取を減らす(1日6g未満)
- 就寝前のスマホやカフェインを避ける



夜の血圧が高いと、朝もスッキリしません。塩分を減らしたり、寝る前の習慣を変えたりすると、改善することが多いですよ!
ストレスと自律神経の乱れ
ストレスが続くと、リラックスできずに血圧が上がります。
その状態が続くと、夜もぐっすり眠れず、日中に眠くなる原因になります。
ストレスと自律神経の乱れによる症状
- 寝つきが悪い
- 夜中に何度も目が覚める
- 昼間に眠気を感じる
ストレスと自律神経が乱れている人の対策
- 深呼吸やストレッチをする
- リラックスできる音楽を聞く
- 就寝前にカフェインを控える



ストレスが溜まると、体がずっと緊張したままになります。寝る前にストレッチや深呼吸をすると、リラックスして眠れますよ!
降圧薬の副作用・眠気を引き起こしやすい薬3種類
高血圧の薬(降圧薬)には、副作用として眠気が出ることがあります。
この章では降圧薬が眠気を引き起こす薬理作用を簡単に説明しています。
昼間にぼーっとする
眠気が強くて仕事や勉強に集中できない
倦怠感を感じる
1. α遮断薬(アルファしゃだんやく)
α遮断薬は血管を広げて血圧を下げますが、体がリラックスしすぎて眠くなることがあります
💊 代表的な薬: プラゾシン、ドキサゾシン など
α遮断薬(アルファしゃだんやく)が血圧を下げるしくみを3ステップで説明します
体の血管には「ギュッと縮めるスイッチ(α1受容体)」があります。α遮断薬はこのスイッチをOFFにすることで、血管を広げるように働きかけます。
スイッチがOFFになると、血管が広がって血液が流れやすくなります。血流がスムーズになると、血圧が自然と下がります。
血圧が下がることで体がリラックスしますが、同時に脳にも影響が出ることがあります。その結果、体がだるくなったり、眠くなったりすることがあります。
2.β遮断薬(ベータしゃだんやく)
β遮断薬は心臓の動きをゆっくりにして、血圧を下げます。
でも、脳の「眠気をコントロールする部分」にも少し影響を与えて、眠くなることがあります。
💊 代表的な薬: プロプラノロール、アテノロール など
β遮断薬(ベータしゃだんやく)が血圧を下げるしくみを3ステップで説明します。
心臓には「ドキドキスイッチ(β受容体)」があります。β遮断薬はこのスイッチをOFFにして、心臓の動きをゆっくりにします。
心臓の動きがゆっくりになると、全身に送られる血液の量が少し減り、血圧が下がります。
心臓の働きが抑えられることで、体全体のエネルギーが少なくなったように感じ、だるさや眠気を感じることがあります。
3.中枢性降圧薬(ちゅうすうせい こうあつやく)
中枢性降圧薬は「脳に直接働くタイプ」だから、特に眠くなりやすいです。
脳の中にある「血圧を調整(ちょうせい)するスイッチ(α2受容体)」を押して、血圧を下げるのです。
でも、そのスイッチは「リラックスのスイッチ」でもあるから、体がふわ~っとして眠くなることがあるのです。
💊 代表的な薬: メチルドパ、クロニジン など
中枢性降圧薬(ちゅうすうせい こうあつやく)が血圧を下げるしくみを3ステップで説明します。
脳には「血圧を調整するスイッチ(α2受容体)」があります。中枢性降圧薬はこのスイッチを押して、血圧を下げるように働きます。
脳が「血圧を下げるように」と指令を出すことで、血管が広がり、血圧が下がります。
この薬は「リラックスのスイッチ」でもあるため、体がふわ〜っとして、眠くなることがあります。



血圧の薬の副作用で眠気を感じることがありますが、医師に相談すれば別の薬に変更できることもあります。眠気がつらい場合は、遠慮せずに相談してくださいね!
睡眠時無呼吸の検査は簡単だった



SAS(睡眠時無呼吸症候群)が気になるけど、検査が大変そう…
と思っている方も多いかもしれません。
しかし、実際に検査を受けてみると、とても簡単で負担が少ないものでした。
私自身も 夜の睡眠の質を把握するためSmart Watch PMP-300 という機器を使用し、自宅で睡眠時無呼吸の検査を行いました。
本体はレターパックで郵送できるほどの大きさで、お弁当箱くらいのサイズ感です。


就寝前に計測機器をセット、センサーを指につけるだけでOK。
違和感も少なく、寝る時の負担はほぼありません。
2晩測定するだけでデータ収集完了、特別な操作は不要で、普通に寝るだけ。
検査終了後、ゆうパックでクリニックに機器を返送するだけで、結果を分析してもらえます。


このような取り扱い説明書で指導を受け、実際に自宅で装着してみました。


貸出されたキットには、計測機器の他に絆創膏やカヌラを固定する布テープが入っていました。


バラすとこんな感じです。


鼻にカヌラを装着し両耳に引っ掛けます。
寝ている間に、鼻からカヌラが外れてしまう場合があるので、両頬にカヌラをテープ固定します。


さらに、カヌラは顎下のツマミで長さを調節できるようになっています。
酸素飽和度を測るための指先のプローブを固定していきます


利き手ではない人差し指の指先にプローブを布テープ固定します。
さらに指の付け根(第三関節)にも仮止めして行きます。
これで、寝ている間に寝返りなどで指先から外れないようにしています。


寝返りしてもずれないような位置にベルトでセットします。
きつくならないようにすることがポイントです。


寝間着やTシャツの上に装着します。
※この写真は寝るまでに時間があったので、寝巻きの上に上着やネックウォーマーをしていますが就寝時の衣服の上に装着しています。
レターパック600のサイズを指定されました。
送料600円でクリニックに変更します。





睡眠時無呼吸の検査は、自宅で簡単にできるものが増えています。気になる方は、クリニックに相談してみるのも良いですよ!
眠気を防ぐための生活習慣


日中の眠気を防ぐためには、生活習慣の見直しが重要です。
高血圧の人は睡眠の質が低下しやすいため、睡眠環境の改善や規則正しい生活を心がけることが大切です。
以下のポイントを参考に、無理のない範囲で取り入れてみてください。
生活習慣の改善ポイント
- 規則正しい睡眠スケジュールを作る(毎日同じ時間に寝る・起きる)
- 寝る前のリラックスタイムを確保する(深呼吸・ストレッチ・読書)
- 適度な運動をする(ウォーキングやストレッチで血流を良くする)
- 食生活を改善する(塩分を減らし、バランスの良い食事を取る)



寝る前にスマホを見ない、軽いストレッチをするなど、小さな習慣を変えるだけで眠気が改善することもありますよ!
高血圧の眠気を防ぐ治療法


高血圧が原因の眠気を改善するには、症状に応じた適切な治療が必要です。
以下の方法を参考に、自分の状態に合った対策を取り入れてみましょう。
- SASの場合 → CPAP療法や生活習慣改善
- 夜間高血圧の場合 → 塩分管理、ストレス軽減
- ストレスが原因の場合 → 深呼吸やリラックス法を取り入れる
- 降圧薬の副作用の場合 → 医師と相談して薬を調整



高血圧による眠気を感じるなら、まずは原因を特定することが大切です。
まとめ
高血圧が原因で日中の眠気を感じる場合、睡眠の質を改善し、生活習慣を見直すことが重要です。
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS) を疑う場合は、医師に相談
- 夜間高血圧 が原因なら、塩分制限や生活習慣の改善
- ストレスや食生活の乱れ も影響するため、リラックス習慣を持つことが大切
- 薬が眠気の原因なら、医師に相談してみる
あなたの眠気の原因はどれでしたか?
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もし「自分の眠気の原因がわからない」場合は、医師に相談するのもおすすめです。
特にSAS(睡眠時無呼吸症候群)の可能性がある人は、一度検査を受けてみましょう!
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