現役看護師が高血圧について徹底解説!

高血圧でもコーヒーを楽しみたい!カフェインとの正しい付き合い方

このような疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。

大木

本記事では、20年の看護師経験を持つ私が、最新の研究データをもとに「高血圧とコーヒーの正しい付き合い方」について分かりやすく解説します。

コーヒーは一時的に血圧を上げる可能性がある一方で、ポリフェノールやクロロゲン酸などの成分が血管の健康をサポートすることも分かっています。

では、どれくらいの量なら問題なく飲めるのか?飲み方を工夫すれば、高血圧の人でも楽しめるのか?

カフェインの影響、降圧薬との相性、最適な飲み方など、すぐに実践できるポイントをまとめました。

高血圧でもコーヒーを楽しみたい方は、ぜひ最後までお読みください。

目次

コーヒーは高血圧なら適量にしよう

コーヒーを飲むと血圧が上がると聞いたことがあるかもしれませんが、必ずしもすべての高血圧の人に悪影響があるわけではありません。

理由は、コーヒーに含まれるカフェインが一時的に血圧を上げるものの、続けて飲んでいるうちに体が慣れてくるためです。

また、コーヒーに含まれるポリフェノールは血管の健康維持に役立つとも言われています。

実際、アメリカで行われた12年間の研究では、高血圧の女性約3万人を対象にコーヒー摂取と高血圧症の発症リスクを調査しました。

その結果、コーヒー摂取と高血圧症の発症リスクとの間に有意な関連は認められず、むしろ適量摂取によってリスクが下がる可能性があることが示されたのです!

つまり、高血圧の人でも適量を守ればコーヒーを楽しむことは可能ですが、すでに高血圧の人は、飲む量やタイミングを工夫することが大切です。

【食後に飲むのがベスト】

空腹時にコーヒーを飲むと、カフェインの吸収が早まり血圧を急上昇させる可能性があります。そのため、食後に飲むことで、血圧への影響を抑えることができます。

降圧薬を飲んでいる方は注意

降圧薬を服用している方は、コーヒーのカフェインが薬の効果を一時的に弱める可能性があるため、服用後1~2時間はコーヒーを控えるのが理想的です。

患者さん

看護婦さん、コーヒーって血圧に悪いって聞くんですが、飲んでも大丈夫ですか?

1日1~2杯程度なら血圧のリスクを上げないって研究もあります。適量なら問題ありませんよ。

コーヒー(カフェイン)が高血圧に及ぼす影響

一時的な血圧上昇 vs 長期的なリスク

コーヒーと血圧の関係については、研究結果が異なります。一時的な血圧上昇はあるものの、長期的な影響は個人差が大きいのが現状です。

カフェインは交感神経を刺激し、摂取直後に血圧が上がることがあります。

研究によると、200~250mgのカフェインを摂取すると、収縮期血圧が3~14mmHg、拡張期血圧が4~13mmHg上昇することが報告されています。

しかし、日常的にコーヒーを飲む人は体が慣れ、血圧への影響が軽減されるとも言われています。

さらに、コーヒーに含まれるポリフェノールは血管の柔軟性を保ち、血圧を下げる働きが期待されています。

コーヒーの種類によるカフェイン量

  • ドリップコーヒーなら約2~2.5杯(300~375ml)
  • エスプレッソなら約3~4ショット(90~120ml)
  • インスタントコーヒーなら約3~4杯(450~600ml)

高血圧の人は、1日1~2杯のドリップコーヒー(150~300ml)程度に抑えるのがベスト です。

大木

例えば、日本の研究では、1日1〜2杯のコーヒーを飲む人の方が、まったく飲まない人よりも高血圧のリスクが低いとする報告もあります。一方で、1日3杯以上の過剰摂取は血圧を上昇させる可能性があるため、注意が必要です。

また、1万8,000人以上を19年間追跡した日本の研究では、重症高血圧患者(収縮期血圧が160mmHg以上、または拡張期血圧が100mmHg以上)が1日2杯以上のコーヒーを飲むと、心血管疾患(CVD)による死亡リスクが2倍に上昇することが報告されています。

つまり、コーヒーは適量なら健康に良い可能性があり、高血圧の人でも飲み方を工夫すれば楽しむことができます。

ただし、過剰摂取にはリスクが伴うため、適度な量を意識することが大切です。

患者さん

コーヒーって血圧に影響あるんですね。でも、飲むのをやめるべきですか?

特に血圧が160/100mmHg以上の方は、1日2杯以上飲むと心血管疾患のリスクが上がるという研究もあります。毎日決まった時間に測定しましょう!

コーヒーは血圧を下げる効果もある?

コーヒーには ポリフェノールクロロゲン酸 など、血管を健康に保つ成分が含まれています。

特に、深煎りのコーヒーはカフェイン量が少なく、胃への負担も軽減されるため、高血圧の人にもおすすめです。

降圧薬とカフェインの相互作用

降圧薬を服用している方は注意が必要

コーヒーのカフェインは血圧を一時的に上昇させるため、降圧薬の効果を一時的に相殺する可能性があります。

特に、βブロッカー(アテノロール、プロプラノロール)やカルシウム拮抗薬(アムロジピン) を服用している方は、カフェインの影響で血圧が十分に下がらないケースが報告されています(参考: PubMed

対策として、降圧薬を飲んだ直後はコーヒーを控える ことが推奨されています。

薬の効果を十分に発揮させるため、服用後1~2時間はコーヒーを控えるのが望ましいでしょう。

患者さん

先生、降圧薬を飲んでいるのですが、コーヒーはやめたほうがいいですか?

完全にやめる必要はありません。ただし、薬を飲んだ直後のコーヒーは避けた方が良いですね。薬を服用して1~2時間ほど経ってから飲むのが理想的ですよ。

高血圧の人にはカフェインレスorカフェオレが最適

コーヒーといっても砂糖やクリームの有無によっていろんなタイプがありますよね。

  • ブラック
  • カフェインレス
  • カフェオレ
  • バターコーヒー

この4種類について比較してみた結果は以下になりました。

  • 高血圧の人におすすめなのは → カフェインレスコーヒー or カフェオレ(低脂肪乳)
  • ブラックコーヒーもOKだが、1日1〜2杯までに抑える
  • バターコーヒーはダイエット向きだが、血圧が気になる人は控えめに

この内訳を詳しく見てみましょう!

ブラック

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メリットデメリット
ポリフェノールが豊富 → 抗酸化作用があり、血管の柔軟性を保つ
低カロリー・無糖 → 血糖値を上げずに飲める
ナトリウム(塩分)ゼロ → 塩分制限の影響を受けない
カリウムを含む → 余分なナトリウムを排出し、血圧を下げる助けになる
カフェインが血圧を一時的に上昇させる(特に飲み慣れていない人)
飲みすぎると交感神経を刺激し、心拍数が上がる
空腹時に飲むと胃に負担がかかる

▶ 高血圧の人におすすめの飲み方:
☑ 1日1〜2杯までに抑える
☑ 食後に飲む(空腹時を避ける)
☑ 深煎りのコーヒーを選ぶとカフェイン量が少なめ

カフェインレスコーヒー(デカフェ)

メリットデメリット
カフェインをほぼ含まない → 血圧を急激に上げる心配がない
ブラックと同様にポリフェノールが豊富 → 抗酸化作用があり、血管の健康維持に役立つ
寝る前でも飲みやすい → カフェインによる睡眠への影響が少ない
完全にカフェインゼロではない(微量含まれる)
カフェイン抜きの過程で風味が変わることがある
選ぶ製品によっては加工段階で栄養成分が減少する場合がある

カフェインが気になる方は、完全カフェインゼロの たんぽぽコーヒー麦茶 を代替品として取り入れるのも良いでしょう。

▶ 高血圧の人におすすめの飲み方:

☑ 夜に飲むならカフェインレスがベスト
☑ ポリフェノールをしっかり摂れる製法(ウォータープロセス)のものを選ぶ
☑ 1日2〜3杯程度なら安心

カフェオレ(コーヒー+ミルク)

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メリットデメリット
牛乳に含まれるカルシウムが血圧を安定させる
メリッカフェインの刺激がマイルドになり、交感神経の刺激を抑えるト
胃への負担が少なく、空腹時でも飲みやすい
ミルクのたんぱく質が体の水分バランスを整え、血圧の安定に貢献
牛乳には乳糖(ラクトース)が含まれており、糖質がある
脂肪分が多いとカロリーオーバーになりやすい
砂糖を加えると血糖値が急上昇し、血圧にも悪影響

▶ 高血圧の人におすすめの飲み方

☑ ミルクは低脂肪乳や無脂肪乳にする
☑ 砂糖なしで飲む(甘味が欲しいならはちみつを少量)
☑ 1日1〜2杯程度ならOK

バターコーヒー(コーヒー+バター+MCTオイル)

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メリットデメリット
糖質を含まず、血糖値を上げにくい(インスリン分泌が少ない)
MCTオイルが脂肪燃焼を促進し、エネルギー代謝を助ける
長時間のエネルギー補給が可能で、満腹感が持続する
血糖値スパイク(急上昇・急降下)を防ぐ
バターの飽和脂肪酸が多く、コレステロール値が高めの人には不向き
カロリーが高いため、摂りすぎると肥満の原因になる
脂質に弱い人は胃もたれを感じることがある

▶ 高血圧の人におすすめの飲み方:

☑ バターはグラスフェッドバター(質の良いもの)を使用
☑ MCTオイルは少量(小さじ1杯程度)から試す
☑ 1日1杯までにとどめ、朝に飲むのがベスト

【総まとめ】どのコーヒーが高血圧の人に向いている?

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コーヒーの種類メリットデメリット高血圧の人へのおすすめ度
ブラックポリフェノール豊富、カリウム含有カフェインで血圧が一時的に上がる★★★☆☆(適量ならOK)
カフェインレスカフェインほぼゼロ、血圧に影響が少ない風味が劣る場合がある★★★★☆(夜でも安心)
カフェオレカルシウムが血圧を安定、胃に優しい乳糖で糖質あり、脂肪分が多い★★★★☆(低脂肪乳ならおすすめ)
バターコーヒー血糖値スパイクを防ぐ、満腹感持続飽和脂肪酸が多く、コレステロール注意★★☆☆☆(脂質の摂りすぎに注意)

高血圧の方は カフェインの量・飲む時間・飲み方 を意識しながら、適量を守って楽しむのが大切です

患者さん

私はブラック派なんですけど、カフェインレスの方がいいですか?

ブラックも悪くないですが、血圧が気になるならカフェインレスや深煎りコーヒーを試すのもおすすめですよ。深煎りの方がカフェインが少ないですし、胃にも優しいです。

高血圧の人に最適なコーヒーの飲み方

ではコーヒー好きな人が一日のスケジュールでどのようにカフェインを摂取したらよいのか?

悩みを解決するために一例をあげてみました。

高血圧の人に最適な1日のコーヒー摂取の例

STEP
朝食後

朝食後に1杯のカフェイン入りコーヒー(ブラックorミルク入り)

STEP
午後のティータイム

午後はカフェインレスコーヒーや緑茶で代用

STEP

夜はコーヒーを控えてカフェインフリーの飲み物(ルイボスティーなど)

血圧を上げないためのコーヒーの飲み方
  • 1日1~2杯までに抑える
  • 食後に飲む(空腹時を避ける)
  • 水分補給も忘れずに(コーヒーは利尿作用があるため)
  • 深煎りコーヒーを選ぶとカフェイン量が少なめ
  • 砂糖やシロップの使用を控える


こうした飲み方を意識すれば、コーヒーのメリットを活かしながら、血圧への影響を最小限に抑えることができます。

患者さん

コーヒーはいつ飲むのがベストですか?

朝食後の1杯は問題ありませんよ。ただ、夜に飲むと血圧や睡眠に影響するので、夕方以降はカフェインレスの飲み物にするといいですね。

焙煎方法によるカフェイン量の違い

また、焙煎方法によってもカフェイン量が変わります。

深煎りコーヒーはカフェイン量がやや少なめで、胃に優しいため、高血圧の人には適しています。逆に、浅煎りのコーヒーはカフェインが多めな傾向にあるため、注意が必要です。

さらに、高血圧患者を対象とした研究では、1日2杯程度のコーヒー摂取が血管機能に好影響を与える可能性が示唆されており、特にコーヒーに含まれるクロロゲン酸が血管機能を改善する効果があるとされています。

つまり、血圧が気になる人はカフェイン量を考慮しながら、ライフスタイルに合ったコーヒーを選ぶことが重要です。

このように、コーヒーと高血圧の関係については、研究によってさまざまな結果が出ています。適量を守り、飲み方を工夫することで、健康を意識しながらコーヒーを楽しむことができます。

コーヒーと一緒に摂るとよい食品

  • バナナ(カリウムが豊富で血圧を下げる作用がある)
  • ナッツ(マグネシウムが含まれ、血圧を安定させる)
  • ダークチョコレート(ポリフェノールが豊富で血管拡張作用がある)

コーヒーと一緒に摂ると血圧に悪影響を及ぼす食品

  • 塩分の多い食事(ハムやベーコンなどの加工肉)
  • 砂糖の多いスイーツ(血糖値の急上昇による血圧上昇リスク)
  • エナジードリンク(カフェイン過多になりやすい)

これらを意識することで、コーヒーを楽しみながら血圧のコントロールもしやすくなります。

患者さん

コーヒーを飲むときに食べていいもの、避けたほうがいいものはありますか?

バナナやナッツは血圧を安定させるのでおすすめです。一方で、塩分の多い食事や砂糖たっぷりのスイーツは控えた方がよいですよ。

まとめ

高血圧の人でも、適量のコーヒーを楽しめることがわかりました。

本記事では、カフェインが血圧に及ぼす影響や、ポリフェノールやクロロゲン酸がもたらすメリットを解説。

特に、1日1〜2杯の適量摂取、食後に飲む、深煎りを選ぶ などの工夫でリスクを軽減できます。

また、カフェインレスコーヒーやカフェオレなどの選択肢についても紹介し、降圧薬との相性や最適な飲み方のポイントも解説。

コーヒーを上手に取り入れ、高血圧と向き合いながら日々の楽しみを維持しましょう。

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