私自身、整形外科病棟で日々患者さんと接する中で、こうした声をよく耳にします。
市販薬を安全に選ぶポイントや、薬に頼りすぎない生活のコツまでしっかりお伝えします。

私自身、整形外科病棟で日々患者さんと接する中で、「薬を飲んでいいのか心配」といった相談をよく受けます。
この記事は、そうした実際の声をもとに執筆しています。


高血圧でも頭痛薬は飲んでいいの?基本の考え方



高血圧だと頭痛薬は飲まない方がいいの?
と不安に思う方も多いですが、正しい知識があれば安心して対処できます。
高血圧でも頭痛薬を飲むことは可能ですが、成分によっては血圧に影響するものもあります。
まずは、「どんな薬なら安心して内服できるのか?」という視点から知っていきましょう。
頭痛薬の種類と血圧への影響


市販の頭痛薬にはいくつかの種類があり、血圧に与える影響も異なります。
とくに注意したいのが、炎症や痛みを抑える「NSAIDs(エヌセイズ)」というタイプ。
イブプロフェンやロキソプロフェンといった成分が含まれており、血圧が高めの人にとってはリスクになる場合があります。
一方、アセトアミノフェンは血圧に与える影響が少ないとされ、比較的安心して使える成分です。
NSAIDsの作用
体の中で炎症が起きると、「プロスタグランジン」という痛みのもとが作られます。


NSAIDsは「プロスタグランジン」を作る酵素(COX)をブロックして、痛みや熱、腫れを抑えます。


酵素をブロックし腎臓への血流を低下させることで、塩分と水分の排出を妨げてしまいます。
これが体内に余分な水分をためることになり、血液量が増えて血圧が上昇する可能性があるのです。


このように、NSAIDsは「炎症を抑える力は強い」けれど「血圧への影響には注意が必要」ということがわかります。



NSAIDsって、なんで血圧に影響するんですか?



腎臓の働きを弱めて、体に水分がたまりやすくなるからなんです。それで血圧が上がってしまうことがあるんですよ。
ポイント
- NSAIDsは腎臓の血流を減らす作用がある
- 塩分と水分の排出が抑えられ、血圧が上がりやすくなる
- 高血圧の人はNSAIDsの常用は避けた方がよい
アセトアミノフェンの作用
体のどこかに異常があると、脳が「痛い」と感じる信号を出します。


アセトアミノフェンは脳内で痛みの信号をやさしく抑えます。炎症を抑える作用は弱めです。


腎臓や血管に負担をかけにくく、高血圧の人にも使いやすい薬です。
ポイント
- NSAIDs(ロキソニン・イブなど)は血圧を上げる可能性あり
- アセトアミノフェン(カロナール等)は比較的安全
- パッケージの成分表示を必ずチェックしよう



私の病棟では高血圧だけでなく子供や腎機能が低下しているような患者さんにも鎮痛薬はNSAIDSからアセトアミノフェンに切り替えることがよくあります
高血圧時の頭痛には特徴がある?見分け方4つ
頭痛の原因が高血圧によるものか判断するには、出やすい時間帯や痛みの場所・性質に注目することが大切です。
高血圧による頭痛には特有の症状があり、他の頭痛と見分けるためのヒントになります。
朝方に起きやすく、後頭部に重だるい圧迫感を感じるのが特徴です。
以下に、高血圧時の頭痛の特徴をまとめました。
また、吐き気や嘔吐がある場合はこちらの記事を参考にしてくださいね
ポイント
- NSAIDs(ロキソニン・バファリンなど)は避けたほうがよい
- カフェイン成分は血圧を上げる可能性あり
- アセトアミノフェン(カロナール)は比較的安全
- 市販薬でも成分表示を確認することが大切



バファリンって高血圧の人は飲まないほうがいいんですか?



バファリンはNSAIDsに分類されるので、血圧が気になる方にはあまりおすすめできませんね。
飲んでいい薬・避けたい薬【カロナールやバファリンは?】



この頭痛薬、大丈夫かな?
と不安に思ったとき、まずチェックしたいのが成分です。
高血圧の人に避けたい成分は、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)と呼ばれるもの。代表的なのがロキソニン(ロキソプロフェン)やバファリン(イブプロフェン)です。


逆に、比較的安全とされているのがアセトアミノフェン。これが主成分の薬には「カロナール」「タイレノールA」などがあります。
代表的な頭痛薬と主成分
- バファリン → NSAIDs(イブプロフェン)
- ロキソニン → NSAIDs(ロキソプロフェン)
- カロナール → アセトアミノフェン
- タイレノールA → アセトアミノフェン
商品名だけで判断せず、パッケージ裏の「成分欄」を確認するのが確実です。


たとえばこの画像のように、成分欄に「ロキソプロフェンナトリウム」などと書かれていたら、それはNSAIDsです。
不安なときは、市販薬でも遠慮せず薬剤師に相談するのが安全です。



私の整形の病棟でも、腎臓が弱い患者さんにはロキソニンをやめてカロナールに変えることがよくあるんです。血圧が気になるときも、似た考え方になります。
まとめ
- NSAIDs(ロキソニン・バファリン)は血圧を上げやすい
- アセトアミノフェン(カロナールなど)は比較的安全
- 成分表示を確認し、薬剤師に相談しよう
市販薬を使うときの注意点と確認ポイント4つ
高血圧の人が市販の頭痛薬を使う際は、成分だけでなく用法・用量・使用頻度にも注意が必要です。
安全に使用するためには、商品のラベルをよく読み、自己判断を避けることが大切です。
ポイント
- 成分表を必ず確認する
- 用量・用法を守る
- 連用は避ける
- わからない場合は専門家に相談



私の病棟では手術後の子どもにアセトアミノフェンを使うことが多いんですが、これも飲みすぎNGなんですよね。
「痛みが強くなりそうな時間」を見ながらタイミングを調整したりしてます。
医師に相談すべきケースとは?判断の目安3つ


頭痛が頻繁に起きる、長く続く、薬が効かないなどの症状がある場合は、自己判断せず医師の診察を受けましょう。
脳疾患など別の原因が隠れている可能性もあります。
ポイント
- 頭痛が頻発・長時間続く場合
- 薬を飲んでも効かない
- 吐き気やしびれを伴う場合は要注意



ちょっと頭痛が続くだけで受診するのは大げさですか?



いえ、気になる症状があるときは早めに相談するのが一番です。大事に至る前に対処しましょうね。
頭痛を薬以外で和らげる4つの生活習慣アドバイス


高血圧による頭痛を緩和するには、睡眠・ストレス管理・適度な運動・カフェインの調整など日常生活の見直しも有効です。
体調を整えることが予防にもつながります。
ポイント
- 質の良い睡眠を確保する
- ストレスを溜めない
- 軽い運動で血流を促進
- 塩分やカフェインの摂取を見直す



最近、寝不足が続いてて…それも関係ありますか?



もちろんです。睡眠不足は血圧や頭痛にも影響しますので、まずはよく休むことから始めましょう。
よくあるQ&A|高血圧と頭痛薬の疑問を解消!
高血圧と頭痛薬に関する「飲んでいい市販薬は?」「どのくらい間隔をあける?」「服薬中でも大丈夫?」といったよくある質問に、看護師の視点でやさしく答えます。
ポイント
- 市販薬の選び方に関する疑問
- 飲み合わせの注意点
- 頻度や間隔の疑問
- 服薬中の対処法など



頭痛薬って毎日飲んでも平気ですか?



常用はおすすめできません。頻繁に飲むようなら根本的な原因を調べることも大切です。
まとめ
高血圧の方でも、適切な知識があれば頭痛薬を安全に使うことができます。
成分の確認や用法の遵守、生活習慣の見直しも大切です。
気になる症状がある場合は、早めに医師や薬剤師へ相談してくださいね。
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