現役看護師が高血圧について徹底解説!

納豆が高血圧に悪い理由を徹底解説!あなたは大丈夫?

大木

本記事では、20年の看護師経験を持つ私が、納豆が高血圧に与える影響について、リスクとメリットの両面から解説します。

「納豆って体にいいって聞くけど、高血圧には逆効果なの?」 と疑問に思ったことはありませんか?

特に血圧の薬を飲んでいる方は、納豆の成分との相互作用について不安を感じることもあるでしょう。

この記事では、納豆の健康効果から注意点、正しい摂り方まで、わかりやすくお伝えします。

目次

納豆は高血圧に悪い?その噂の真相とは

「納豆は高血圧に悪い」と聞いたことがある方もいるかもしれません。

しかし実際には、納豆そのものが血圧を上げる食品というわけではありません。

むしろ血圧に良い影響を与える成分も含まれており、心配しすぎる必要はありません。

ポイント

  • 納豆は血圧を上げる食品ではない
  • 健康効果の高い栄養が豊富
  • 薬との相互作用が誤解の原因に
患者さん

納豆って高血圧にはあまり良くないって聞いたことあるんですけど…

大木

実は納豆そのものが悪いわけじゃないんですよ。薬との組み合わせが注意点なんです。

納豆が高血圧に与える影響|栄養成分から見るメリット

納豆には、血圧の安定に役立つカリウムやナットウキナーゼなどの栄養成分が豊富に含まれています。

特に血液の流れをサラサラにする作用があり、高血圧の予防や改善にもつながる可能性があります。

ただし、摂りすぎや他の食事とのバランスも意識しましょう。

ポイント

  • カリウムが塩分の排出を助ける
  • ナットウキナーゼが血流を促進
  • 大豆タンパクも血圧対策に有効
  • バランスの良い食事と一緒に摂るのが理想
患者さん

納豆って血圧を下げる効果があるって本当ですか?

大木

はい、カリウムやナットウキナーゼが血圧にいい影響を与えると言われていますよ。

科学的に見た納豆の降圧効果は?

納豆が高血圧に良いと言われる理由には、いくつかの科学的根拠があります。

特に注目されているのが「ナットウキナーゼ」「カリウム」の働きです。

ナットウキナーゼは、血液中の血栓(いわゆるドロドロ)を溶かす作用がある酵素。

血液の流れをスムーズに保つことで、心臓にかかる負担を軽減し、結果的に血圧が安定しやすくなります。

さらに、納豆に含まれるカリウムは、体内の余分なナトリウム(塩分)を排出する働きがあります。

ナトリウムが多いと血液量が増え、血圧が上がりやすくなりますが、カリウムの力でそれを調整できるのです。

HTちゃん

たとえるなら、血液が流れる川に溜まった“ゴミ(血栓)”を、ナットウキナーゼが掃除してくれるようなイメージです。カリウムは、その川の水位をちょうどよく保ってくれる調整役ですね。

実際、ナットウキナーゼの摂取が血圧に好影響を与えるという研究も報告されています。

たとえば、2015年の日本国内の二重盲検試験では、ナットウキナーゼサプリを継続的に摂取した被験者グループのうち、収縮期・拡張期血圧ともに数値の改善が見られたと報告されています(出典:J. Funct. Foods, 2015)

もちろん納豆1パックに含まれるナットウキナーゼの量はサプリほど多くはありませんが、日々の積み重ねとしては十分に意味のある摂取方法と言えるでしょう。

高血圧に良い食べ物は納豆だけではありません。

他にもおすすめの食材や組み合わせ例を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

ポイント

  • ナットウキナーゼは血液をサラサラに保ち、血圧を安定させる
  • カリウムが塩分の排出をサポートし、血圧の上昇を抑える
  • 毎日の納豆習慣が、血管と血圧を守る手助けに

高血圧に悪いと言われる理由~ビタミンKとワーファリンの関係~

「高血圧に悪い」と言われる背景には、「納豆に含まれるビタミンKとワーファリン(血液をサラサラにする薬)の相性」が関係しています。

ビタミンKは血液を固める働きがあるため、ワーファリンを服用している方は納豆を控えるよう指導されることが多いのです。

ポイント

  • 納豆にはビタミンKが豊富に含まれる
  • ビタミンKは血液を固まりやすくする作用がある
  • ワーファリンの効果を弱める可能性がある
  • 服薬中の人は主治医に相談が必要
患者さん

納豆は高血圧に悪いって、ワーファリンを飲んでる人だけがダメなんですか?

大木

そうですね。ビタミンKが薬の作用を打ち消すことがあるので、服用中の方は注意が必要なんです。

なぜ納豆はワーファリンと合わないのか?

納豆が「高血圧に悪い」と言われる理由の多くは、納豆に含まれるビタミンKと、抗凝固薬ワーファリンとの相互作用にあります。

ビタミンKは、肝臓で血液を固めるための「凝固因子」を合成するために不可欠な栄養素です。

一方、ワーファリンはこのビタミンKの働きをブロックすることで、血液が固まりにくくなるようにコントロールする薬です。

つまり、ビタミンKを多く含む納豆を頻繁に摂ると、ワーファリンの効果を打ち消してしまうおそれがあるのです。

HTちゃん

たとえるなら、ワーファリンが「蛇口を絞って水(凝固因子)を減らす薬」なら、納豆は蛇口に水をドバドバ流し込むようなもの。お互いの働きが逆なので、ぶつかってしまうわけです。

こうした理由から、ワーファリンを服用している人は納豆を控えるよう医師から指導されるのが一般的です。

相互作用のエビデンスは?

実際、2011年に日本で行われた研究では、納豆を継続的に摂取していた高齢患者で、PT-INR(血液凝固の指標)に大きな変動が見られたと報告されています。

この変動により、ワーファリンの効果が不安定になり、血栓予防効果が弱まるリスクがあると指摘されています(出典:日本循環器学会雑誌 2011年 第75巻 第2号)。

一見、健康によさそうな納豆でも、薬の働きに影響する場合があるということは知っておくべきポイントです。

ポイント

  • 納豆に含まれるビタミンKが血液凝固因子の合成を促進
  • ワーファリンはその働きを抑えることで血液をサラサラにする
  • ビタミンKの摂取が多すぎると、薬の効果を打ち消すことがある
  • 服薬中は必ず主治医に納豆の摂取可否を相談する

納豆を毎日食べても大丈夫?適量とタイミングを解説

納豆は健康的な食品ですが、「食べれば食べるほど良い」というわけではありません。

この章では、納豆を毎日食べる場合の“落とし穴”と、健康的な摂り方のコツをそれぞれ解説していきます。

なお、納豆以外にも高血圧の予防に役立つ食品があります。

食事の工夫について詳しく知りたい方は、こちらもぜひ参考にしてください。
▶ 高血圧に良い食べ物まとめはこちら

納豆の“健康リスク”ってあるの?

納豆は栄養価の高い発酵食品として知られていますが、「体に良いから」といって摂りすぎるのは考えもの。

特に気をつけたいのがプリン体の摂取量タレによる塩分、そして胃腸への負担です。

たとえば、納豆1パック(約50g)には約100mg前後のプリン体が含まれており、これは高尿酸血症や痛風のリスクがある人にとっては注意が必要な量です。

また、付属のタレをすべて使うと1食あたり0.5〜1gほどの塩分を摂取することに。

これを毎日続けると、知らないうちに塩分オーバーになってしまうこともあります。

さらに、納豆は発酵食品であるため、腸に良い影響を与える一方で、胃腸が弱っているときに毎日食べるとガスや膨満感などの不調を感じることもあります。

HTちゃん

たとえるなら、納豆は「万能な健康食」ではなく、車のガソリンみたいなもの。
適量ならしっかり走れるけど、入れすぎるとエンジン(胃腸)に負担がかかってしまうんです。

実際に、日本痛風・核酸代謝学会が発行したガイドラインでは、1日あたりのプリン体摂取量は400mg未満が目安とされています。納豆1~2パックなら、ほとんどの人にとって問題のない範囲といえます。

ポイント

  • プリン体は1パック約100mg。痛風の既往がある人は要注意
  • タレの塩分は見落としがち。毎日の塩分摂取に影響も
  • 胃腸に負担を感じたら一時的に控えるのがベター

毎日食べるならどれくらい?タイミングの工夫も

納豆は1日1パック(約50g)を目安に摂るのが基本。

食べるタイミングを少し工夫するだけでも、体への働きかけが変わってきます。

朝に食べると代謝や排出を促進しやすく夜に食べるとナットウキナーゼの血栓分解作用が持続しやすいというメリットがあります。

毎日必ず食べる必要はありませんが、食事にうまく組み込むことで、健康維持に役立てることができます。

プリン体や塩分が気になる方は、

  • タレを半分にする or しょうゆを控えめに使う
  • 納豆を毎日ではなく2日に1回にしてみる
  • 胃腸の調子が悪い日は避ける

おすすめの摂り方

  • 1日1パック(約50g)を目安に
  • 朝に食べると代謝や排出を助ける
  • 夜に食べるとナットウキナーゼの効果が持続
  • 過剰摂取は塩分やプリン体に注意
患者さん

納豆って、毎日食べても大丈夫ですか?

大木

はい、1日1パック程度なら問題ありませんよ。朝や夜など食べる時間も意識するとより効果的です。

高血圧の人が納豆を食べるときの注意点

「高血圧の人が納豆を食べるときの注意点」では、健康的と思われがちな納豆にも落とし穴があることを解説します。

タレやからしの塩分、薬との相互作用、食べすぎなど、意外と見落としがちなポイントも。

安全に取り入れるためには、ちょっとした工夫が必要です。

ポイント

  • 付属のタレ・からしの塩分に注意
  • ワーファリンを服用中の方は避ける
  • 毎食食べるのは控えめに
  • 納豆だけで健康を保とうとしない
患者さん

納豆って健康に良いと思ってたんですけど、気をつけることってあるんですか?

大木

ありますよ。特にタレの塩分や、薬との相互作用には注意が必要です。量や食べ方にも気をつけましょうね。

こんな人は納豆を控えたほうがいい?

納豆は高血圧に良い面も多い食品ですが、すべての人にとって“安心”というわけではありません。

とくに注意が必要なのが、カリウム制限がある慢性腎臓病(CKD)の方です。

納豆には1パックあたり200〜300mgのカリウムが含まれており、腎機能が低下している人が摂りすぎると、体内にカリウムがたまりやすくなります。

血中のカリウム濃度が高くなると、筋力の低下や不整脈など、命に関わる症状が出ることもあるため、医師から制限の指示がある場合は必ず従いましょう。

HTちゃん

たとえるなら、カリウム制限のある人にとって納豆は「良薬にもなりうるけれど、使いすぎると副作用が出る薬」みたいなもの。

特に、すでに腎臓病や心疾患を指摘されている方は、納豆を「積極的に摂る」前に、かかりつけ医に相談しておくのが安心です。

ポイント

  • CKD(慢性腎臓病)など、カリウム制限がある人は納豆に注意
  • 納豆1パックには200〜300mgのカリウムが含まれる
  • カリウム過剰は不整脈や筋力低下のリスクに
  • 医師の指導がある場合は、自己判断せず確認を

納豆以外で高血圧予防に効果的な食品

納豆以外で血圧に良い食品は?


納豆に限らず、血圧のコントロールにはカリウムや食物繊維、抗酸化作用のある食品が重要です。

バランスの良い食事で、無理なく血圧管理をめざしましょう。

納豆だけでなく、日々の食事で血圧を安定させたい方は、こちらの記事もぜひ参考にしてください。

高血圧に良い食べ物まとめはこちら

ポイント

  • カリウムを含む野菜(ほうれん草・ブロッコリーなど)
  • 食物繊維が豊富な海藻やきのこ類
  • 抗酸化作用のある果物(バナナ・ブルーベリーなど)
  • 減塩・低脂質のたんぱく源(鶏むね肉・豆腐など)

納豆+〇〇でさらに効果的!おすすめ食材の組み合わせ

納豆はそれ単体でも高血圧対策に役立つ食品ですが、実はほかの食材と組み合わせることで相乗効果が期待できるケースもあります。

とくにおすすめなのが、抗酸化作用や血流改善に役立つ野菜や海藻類との組み合わせです。

たとえば、ビタミンCやリコピンが豊富な「トマト」と一緒に摂ることで、血管の柔軟性を保ち、血圧の上昇を抑える効果が高まります。

また、水溶性食物繊維が豊富な「オクラ」や「めかぶ」「もずく」と合わせると、腸内環境が整いやすくなり、血圧だけでなく血糖やコレステロールのコントロールにも役立ちます。

HTちゃん

たとえるなら、納豆が「血管のお掃除役」だとしたら、トマトやオクラは「血管のうるおいケア係」。


一緒にとることで、内側から血管を守る力がぐっと強まるイメージです。

ポイント

  • 納豆+トマト:リコピンで血管のしなやかさを保つ
  • 納豆+オクラ:ネバネバ成分が腸を整え、血圧もサポート
  • 納豆+海藻(めかぶ・もずく):食物繊維が余分な塩分を排出
  • トッピングや副菜で無理なく組み合わせてみよう

逆に控えたい組み合わせってある?

納豆は体に良い食品ですが、組み合わせ次第では効果を打ち消してしまうこともあります。

たとえば、緑茶や紅茶などに含まれる「タンニン」は、納豆の鉄分や一部ミネラルの吸収を妨げる可能性があるため、納豆と一緒のタイミングでの摂取は避けるのがベターです。

また、カフェインの利尿作用によってカリウムが排出されやすくなり、せっかくの納豆の栄養素が十分に活かされないことも。

さらに、脂っこい揚げ物などと一緒に食べると、腸内環境に悪影響を与えやすく、発酵食品の効果が弱まってしまう場合があります。

HTちゃん

納豆をサラサラ血流の「助っ人」だとすると、カフェインや揚げ物はその足を引っ張ってしまう存在。
組み合わせ次第で、せっかくの健康効果が相殺されることもあるんですね。

ポイント

  • 緑茶・紅茶・コーヒーと一緒に食べるのは避ける
  • 揚げ物や高脂質な料理との組み合わせは控えめに
  • 食後30分~1時間空けて飲み物を摂るのがおすすめ
患者さん

納豆以外に、血圧に良い食べ物ってありますか?

大木

もちろんありますよ。野菜や果物、海藻などもおすすめです。いろいろな食品を組み合わせるのが大切ですね。

まとめ|納豆は高血圧に悪いのか?

この章では、ここまでの内容をふり返りながら、納豆との付き合い方を整理します。

納豆は高血圧に悪いというより、「薬との関係」や「摂りすぎ」など、条件付きで注意が必要な食品です。

正しく知って、安心して健康に取り入れましょう。

ポイント

  • 納豆自体は高血圧に悪いわけではない
  • ワーファリン服用中は要注意
  • 塩分や食べすぎに配慮する
  • ほかの食材とのバランスも大切
患者さん

結局、納豆って高血圧の人は食べちゃダメなんですか?

大木

いえいえ、そういうわけではありませんよ。薬との関係や量に気をつければ、むしろおすすめの食品です。

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この記事を書いた人

看護師歴20年。脳外科・消化器外科・救急外来を経て、現在は整形外科病棟に勤務しています。
これまで多くの高血圧患者さんと接する中で感じた疑問や不安に、わかりやすく寄り添う情報を発信しています。

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